ネイルガン殺人事件から、４年。
権力組織の機密データを手に入れた雪平夏見は、反撃に移る一番効果的な方法を探していた。
そんな中、転落死体が発見され、現場で雪平は一枚の栞を見つける。
そこには、『アンフェアなのは誰か？』の文字が……。
それは10年前の「推理小説事件」から始まる一連の事件で使用されたものと同一の栞。
さらには、その犯人たちを結びつけていた「×サイト」も復活していることが判明する。
しかも、転落死体は前作の黒幕・村上克明検事だったことが判明。
続けざまに、元検事総長であった村上の父親も殺された……。
雪平を巻き込む新たな事件の勃発。そして、ほどなく見知らぬ協力者が雪平の前に現れる。
雪平はこの危機を乗り越え、父が目指した警察の浄化を成し遂げることが出来るのか？
復活した?サイトの最後の一文には、こう書かれていた。
『雪平の復讐が始まる』
◆篠原涼子…雪平夏見
警視庁捜査一課で検挙率ナンバーワンを誇る女刑事。
バツイチ・子持ち・大酒飲みで無駄に美人。
◆阿部サダヲ…小久保祐二
警視庁捜査一課課長。雪平の上司で、彼女を嫌う。
出世欲の強い男。
◆加藤雅也…三上薫
警視庁鑑識課の検視官。雪平の相棒として捜査に協力してきた。
実は敵対する権力組織の一員で、前作でもＵＳＢ奪還計画に参画していた。
◆向井地美音…雪平美央
雪平夏見の一人娘。現在は、アメリカに留学中。
◆寺島 進…山路哲夫
警視庁捜査一課課長だったが、小久保の策略で、所轄に飛ばされた。冷酷な組織人に見えるが、実は雪平の理解者の一人。
◆佐藤浩市…一条道孝
前作では、北海道警・西紋別署刑事課長で雪平の上司で恋人だった。
実は権力組織の汚れ仕事を一手に引き受ける殺し屋であり、雪平にはＵＳＢ奪還の為に近づいていた。
ネイルガン連続殺人事件の首謀者として逮捕され、その後、獄中自殺したと報道されたが死んではいない。
◆永山絢斗…津島直紀
システムエンジニア。仕事先で偶然、権力組織の不正を証明する秘匿データを入手する。
正義の為、それを公表しようと動き始めた矢先に村上検事殺人の疑いをかけられ、警察に拘束される。
取り調べの際に雪平の名前を挙げて呼び寄せ、密かに協力を求める。
◆AKIRA…武部将臣
最高検察庁監察指導部のエリート官僚。
不正を嫌い、死んだ村上検事とその父親が関わる秘密組織の存在を疑い、真相を暴くために雪平に近づく。
やがて津島が不正解明へのカギを握っていると気づく。
◆吉田鋼太郎…特捜部長
東京地検の特捜部長。仲間の検察官を立て続けに殺され、立場上から村上親子殺しの犯人を挙げる為に執念を燃やす。
警察にも圧力をかける。
刑事だった父が殺された事件の犯人を見つけるため、通っていた短大をやめ、警視庁捜査一課の刑事になった雪平夏見。
父の死の真相を探る雪平は、事件の背景に警察組織の“闇”があることをつかみ、父が警察内のクーデター計画を画策してたことを知る。
それは、長い年月を経て、警察病院占拠事件（「the movie」）、ネイルガン連続殺人事件（「the answer」）へと繋がり、ついに雪平は国家を裏で操る権力組織から機密データを手に入れる。
そこには、決して開けてはいけない真っ黒な深い闇が詰まっていた――。
