11/9 The Artist
「アーティストってどういう人?」
「彼のスタイルって何?」
「自分のスタイルはなんだと思う?」
矢継ぎ早に飛んでくる質問の答えを考えているうちに、
「なんでそう思うの?」「どう感じたの?」
次の質問が飛んでくる。理由を考えている時間などなかった。
頭に浮かんだ言葉を声に出すと、「That’s really good!」 と言ったWendy先生。
「自分の素直な感情に従うこと。あなたというアーティストはどこにもいない」
入ってくるだけで、その場の空気が変わる人がいる。
立っているだけでも、違うオーラを感じる。
そんな人達を、「アーティスト」と呼ぶと聞いた。
あることが当たり前かのように毎日通うEXPG NYも、
毎回丁寧に教えてくれるインストラクターの先生も、
新しくこの街で出来た仲間も、
自分達が今ここに居るのは、
この道を切り開いてきた先輩アーティストの方々の軌跡。
憧れの存在に、改めてこの場所での未来を誓った。
11/2 Friends and Community
YUTOが毎週ひとりで通う、ハーレムにある小さな学校の一室は、
小さな子供から大人まで、年齢関係なくLITE FEET(ライトフィート)好きが集まる場所。
たまに学校帰りの生徒が覗きにきたり。
LITE FEETのオリジネーターと呼ばれる「Chrybaby Cozie(クライベイビー コージー)」がEXPG NY校でインストラクターをしていることもあり、YUTO は気が付けばすっかりLITE FEET にはまっていた。時間があれば帽子をまわし、ステップの練習をしている。
週に1度だけ訪れるその場所に、歌と同じくらい好きなダンスを見つけたYUTO。
来月のステージに向けて練習する仲間にTAROメンバーの姿は無い。
日本語を話す人もいない。
不思議と怖くないのは、迎え入れてくれる優しさと、2年目で得た自信があるから。
YUTOがひとりで飛び込んで増えた新しいコミュニティに加え、
ベースとなるEXPG NYには新しい仲間が増えていた。
去年は、なかなか話しかけにくかった学校の同級生。
朝から机を並べて勉強し、ランチを一緒に食べて、休み時間に遊んでいたら、いつの間にか放課後も一緒にレッスンを受けるようになった。
正直、宿題も多いし、まだ英語には苦労している。
でも友達は、国や言葉関係なく、楽しいことがあればいつだって仲良くなるものだと知った。
そして、それぞれに夢がある。
将来も一緒に、何か楽しいことが出来たらなと思う。
10/26 Street Performance
アメリカで「Jr.EXILE」を知っている人はどれくらい?
ニューヨークでもほんのわずかだと思う。
どうやったらもっと自分達のことを知ってもらえるのか?
ニューヨークにはストリートパフォーマーが多い。
電車の中、プラットホーム、公園、常にどこかで人だかりが出来ている。
舞台はストリート。
自分達も3チームに分かれて、別々の場所でパフォーマンスをすることにした。
人通りが多い場所や時間帯、天候のリサーチ、練習、フライヤー・ボード作り、SNSでの告知、本番当日ギリギリまで下準備が続く。
そして当日。日曜日の昼間。
予想していたよりはるかに人通りが少ない。
予定していた場所に既に先客がいる。
歩き回って確保した場所でも、今度は野次が飛んできてまた場所変更。
想定外の状況にその都度対応しながら、
やっとみつけた場所でスピーカーから音楽を流していると、自然に人が集まってきた。
入れ代わり立ち代わりだが、この輪を大きくしていきたい。
サークルを組んで、ソロもみせて、一緒に盛り上がってくれる人たちが増えてきたところで、全員のパフォーマンス。
それを繰り返した。
チームに分かれて、別々の場所で行ったパフォーマンス。
レパートリーの少なさや、曲と曲との間のMC、オーディエンスを巻き込む方法。
集客数よりも次への課題が多く見つかった1日だった。
今日つながった人達をもっと笑顔にしたい。
自分達のパフォーマンスで、そんな人達をもっと増やしたい。
来週もストリートに向かう。
10/19 Artist Development
Class
特別育成カリキュラムとして、NY校インストラクターと作品をつくりあげるクラス。
有名アーティスト バックダンサーの経験や振付、華やかなキャリアを持ちながら、
今尚ストリートダンスシーンの前線で活躍するインストラクター達が、TARO の作品にも携わってくれている。
今回は、今NYで勢いのある若手と呼ばれる面子のひとり、コリオグラファーのDr.EW (ドクター・ウー) と、日本武者修行でもおなじみ、Corey Nova(コーリー・ノバ) のタッグで、
「Can't feel my face」に挑戦した。
今回の作品のみせどころは 「全員が歌っておどること」
ダンス部門でオーディションに合格したMIKU, RIKIYA, MASAHIRO, SHOJI もマイクを持つ。
そして11人が2チームに分けられ、
どちらかのチームの作品が、次回のパフォーマンスのパッケージに選ばれるという。
均等に振り分けられたパートに、トランジション(パフォーマンス中に立つ位置が変わること)を調整しながら、それぞれ練習に励む。
ボーカルパートは、電車の中で歌詞を覚え、学校の音楽室で練習した。
トランジションの調整では、リーダーのMIKUとRIKIYAが大いに力を発揮した。
甲板の上、インターチェンジ、控室、土壇場での対応力をこの夏色んなところで身に付けた2人。
頭に浮かんだ構成を形に落とす作業が終われば、チームメンバーへの振り落とし(ダンスの振り付けを教えること)。
メンバーの対応力もあり、団結力がスムーズに事を進めた。
Dr.EWの最終チェックを終えて、それぞれの作品が完成した。
どちらが選ばれるのか。
結果はステージで発表される。
10/12 EX SHOW NYC
NYでは初開催となる EX SHOW。
11人でNYでパフォーマンスする初めての舞台。
これから戦っていくグローバルという場所に向かって、
今日どれだけ人を集められるか、
どれだけ盛り上げられるか、
始まりの場所として、このEX SHOWが持つ意味は大きい。
SNSの告知だけじゃ手応えはつかめない。
学校でフライヤーを配った。
ホストファミリーも友達を誘ってくれた。
ストリートダンスシーンで知らない者はいないくらいの面子が揃ったイントラナンバー、有名DJのプレイ、広がるサイファー。
出番を迎える頃には、会場全体が熱気に包まれていた。
自分達のパフォーマンスは、ニューヨーカーにどう映るのか、
どうすれば想いを届けられるのか、
日本武者修行で得た自信と誇りを胸に、全力で挑んだ15分。
ダンストラックでは決め技の度に歓声があがった。
ボーカルナンバーでは自分達が信じているものを音に乗せて伝えられたと思う。
大きな拍手と歓声が響いた会場、約500人の中には、フライヤーを受け取ってくれた人達の笑顔が並んでいた。
やっとスタート地点に立ったような気がした。
もっともっと自分達のことを知ってもらいたい。
その為に・・・
やるべきことは山ほどある。
壁が高すぎると感じることもある。
それでもひとつずつ。
乗り越える力を受け継いでいけるように。
10/5 EX SHOWに向けて
翌週にせまったEX SHOW NYC。
SHINとSORAが加わった11人編成での初めてのパフォーマンスに向けて、構成決めから振り落とし、全員で協力して進めていく。
加えて、インストラクターのナンバーにも参加するメンバーは、別途リハーサルが続く。
SORAYA(ソラヤ)のナンバーに、AYUMU, MIKU, RIKIYA, MASAHIRO, SORA、
SHOJIは、Hurrikane(ハリケーン) とKatalyst(カタリスト) のナンバーに。
ERIC(エリック)の作品には、SORAYAメンバーにSHINが加わった。
Chrybaby(クライベイビー)とは、YUTO, KENYA, TAIKI でなんだかおもしろいことになりそうだ。
NYに来たばかりの頃はレッスンを受けることに必死で、話すことなど不可能かと思っていたイントラと、いつからかリハーサルの詳細から衣装決め、作品の内容についても、自分達でやり取りできるようになっていた。
ストリートダンスシーンの第一線で活躍する錚々たる顔ぶれと、肩を並べてステージに立つ。
改めてこの環境に感謝しながら、出来ることは最高のパフォーマンス。
次に繋げる結果を残したい。
「Ayumu / Yak Films 撮影」
ニューヨークに戻った翌日、とある撮影に参加したAYUMU。
EXPG NY校のインストラクターでもあるSORAYA LUNDYからの誘いで、ストリートダンス界で有名なフィルムクルー"Yak Films"の映像に出演させてもらえることに。
時差ボケが直らず睡眠不足に加え、暑さも厳しかったが、初めての経験にテンションがあがるAYUMU。
出演は、SORAYA を始めとする今とても勢いのあるダンサー4名と、まだ10代の若手ダンサー2名。日本人はAYUMUひとりというシチュエーション。異なるジャンルのダンサー達が、chacha の音楽に合わせてそれぞれのダンスを披露。まだまだ日差しが厳しい夏のブルックリンで、通行人、見学人の間をぬいながら炎天下での撮影が続く。
AYUMUは30秒のソロパートをもらい、その場でフリースタイルを完成させる。
つなぎのパートはSORAYAや同世代のライトフィーター、ディレクターと相談しながら進めていく。
ダンスを通してまたたくさんの人とつながる。
そして、また新しい刺激を受ける。
撮影終了後、AYUMUは早速ダンスレッスンに向かった。
撮影の様子
Sorayaと映像チェック
出演者との集合写真