STORY
カメラマンのアシスタントとして日々雑用をこなしてた沢田は、先の見えない自分を変えようと、青年海外協力隊に応募する。
訓練所での合宿生活を過ごす同期には、海外に住んでみたい、今を楽しみたいという軽い気持ちで参加している者、そして困っている人を助けたいという強い意志を持つ羽村の様な者もいた。
ボランティア精神は偽善と考える沢田は、羽村と事あるごとに対立していた。
そんな二人を共に理解し、仲を取り持つ志穂。
訓練所を卒業後、フィリピン・マニラの観光省に派遣された沢田であったが、ことさらやる事もなく退屈な日々を過ごすこととなる。
そんな折に知り合った、現地のスラム街に住む貧しい子供ノエルとその姉アンジェラと仲良くなり、彼らを被写体に撮影したり、カメラを教えたりすることで徐々に充実した生活を過ごす様になっていく。
しかし、そこで見たものは、日々生きていくだけでも必死な彼らの姿で、貧しいものがさらに貧しいものから奪取していくといった厳しい現実だった。
一方、羽村はフィリピンの山岳地帯の農村に派遣され、彼らの生活をより豊かにしようと、ドジョウの養殖を提案し、広めようと必死に活動していた。
現地で社会貢献を成し得た者、そして何も出来なかった者・・。
2年間の任期を終え、それぞれが日本での新しいスタートを切っていた。
そしてカメラマンとして日々多忙な生活を送っていた沢田の元に、帰国後、岩手で大震災の復興活動を行っている羽村を取材する仕事が舞い込む。
8年ぶりに仕事を通して沢田と羽村は再会することになるのだったが…。