STORY

日本から世界最後の桃源郷、フンザへ。
それは、希望へ旅立つ物語。



バツイチで、年頃の娘と二人暮らしの遠間憲太郎に、
50歳を過ぎて三つの運命的な出会いが訪れる。
ひとつは、取引先の社長・富樫に懇願され、
いい年になってから親友として付き合い始めたこと。
もうひとつは、ふと目に留まった独り身の女性・貴志子の、
憂いを湛えた容貌に惹かれ、淡い想いを寄せるようになったこと。
3つめは、親に見離された幼子、圭輔の面倒をみるようになったこと。
憲太郎、富樫、貴志子の3人は、いつしか同じ時間を過ごすようになり、
交流を深めていく中で、圭輔の将来を案じ始める。

年を重ねながら心のどこかに傷を抱えてきた大人たち。
そして、幼いにも関わらず深く傷ついてしまった少年。
めぐり逢った4人は、ある日、異国への旅立ちを決意する。
そして、世界最後の桃源郷・フンザを訪れたとき、
貴志子が憲太郎に告げる。
「遠間さんが父親になって、私が母親になれば、あの子と暮らせるんですよね」