Look back to the 2013.09.27
AKIRA
――2013年9月27日に東京ドームにて開催されたラストライブ。この日はどのような心境でライブに臨みましたか?

「HIROさんが勇退される件に関しては、事前にメンバーも聞いていましたし、グループとしても、HIROさんの勇退を経てEXILEを新しく、さらに進化させていこうと、ある意味前向きな気持ちで当日を迎えました。9月27日はEXILEにとってのひとつの区切りの日であり、そして新たなスタートの日でもある。でも、パフォーマンスしているときに、僕のポジションから見えるHIROさんの姿と、そして、HIROさんの先にいるファンの皆さんの姿を見て、この光景を見られるのは今日で最後なんだなと思ったとき、やはりすごく胸に詰まるものは感じました。HIROさんに憧れてダンスを始めて、HIROさんの人柄や生きざま……、本当にたくさんのことをパフォーマンスをとおして教えていただいたんですけれど、そんなHIROさんのパフォーマーとしてのラストライブだからこそ、HIROさんの姿とその先にいるファンの皆さんの姿、EXILE第三章というものをしっかり目と胸に焼きつけて、新たなEXILEの道を切り開いていこうという心境でしたね」

――この日のパフォーマンスで、特に印象に残っていることはありますか?

「メンバーからのサプライズで、HIROさんを胴上げしたんですけれど、実はこの胴上げも決行するのかしないのか、いろいろあったんです。 HIROさんの性格やこれまでの生き方、生きざまを考えると、僕自身、もしかしたらHIROさんなりのかっこつけ方で、ビシッとラストを迎えたいんじゃないかなぁと思うところもありました。そのようななかで、本番の空気感で胴上げをするかしないかをジャッジすることになったんですが、HIROさんの空気感や感覚は、やはりATSUSHIくんがいちばん熟知していましたし、ATSUSHIくんのひと声でHIROさんを胴上げすることになりました。終わったあとにHIROさんが“こんなにテンションが上がって喜べる自分がいたことに初めて気がついた”とボソッとおっしゃったんですが、その言葉が僕のなかですごく印象に残っていて……。 HIROさんはご自分のことよりも、まず周りのことを大切にし、エンタテインメントをとおして皆さんに幸せや元気、勇気、そしてEXILEをお届けしていくことを常に意識されていたと思いますし、そう考えると変な意味ではなく、自分ごとで喜んだということがあまり多くはなかったのかな、という気がしたんです。もちろんこれはあくまでも僕の推測ですし、実際は本当にさらっとおっしゃっただけかもしれないんですけれど、ラストライブでああいう言葉を発することができるって、純粋にすごくかっこいいことだなと思いました。 改めてHIROさんを尊敬しましたね。 新生EXILEがスタートするにあたり、僕もHIROさんのような人間に近づけるよう、人間性を磨きながら一歩一歩成長して、HIROさんが語る“Love, Dream, Happiness”のように、自分なりの芯を持ったLove, Dream, Happinessを語れるパフォーマー、エンタテイナー、いち人間として成長しなければと、改めて決意した日でもありました」