XX INTRODUCTION XX

時は戦国、戦に踏み荒らされ、枯れ果てた東北の地に、一人の精悍な武将が生まれる。
その男の名は、伊達政宗。
幼い頃、病で片眼を失いながらも「片眼でも見えるものは見える」と、正しい心を歪めることはなかった。しかし伊達の家は、名家とはいえ、内紛が絶えず、身内の裏切りの中で戦う不条理に苦しむ日々を送っていた。

そんな政宗の前に暗闇から話しかける一筋の影、
「東北の地は貧しく、冬は雪に閉ざされ、夏は戦で殺し合う、このままでは、滅ぶ事を待つのみ…鬼を作らねばなりませぬ!!貴方は鬼となりて、この地を救うのです。私が、貴方の影となります」

この男こそ、後の伊達家軍師、片倉小十郎の若き日の姿であった。
伊達家の内紛が続く中、実の母、保春院に命を狙われる等の危機を切り抜けながら、政宗は、やがて、東北一可憐な姫と言われた、愛姫と出会い恋に落ちる。
愛姫は鬼と恐れられた政宗の心を和らげ、支え続けたのである。
政宗は小十郎と共に、幼少の頃から政宗を尊敬し、忍者軍黒はばき組の若頭となったトウキチローと伊達成実を従え、天下統一を目指す豊臣秀吉との決戦に備えるのであった…。
政宗と小十郎は、手を取り合って誓った。
我らが故郷、東北(みちのく)を何としても、守り抜くのだ、と。