物語
高知県の寂れた漁場町にひっそりと佇む映画館、オリオン座。
時代に取り残され、ついに閉館が決まったこの場所に、死んだ父の足跡をたどってオリオン座の最後の上映作を観に訪れた50代の女性・小泉ひばりとその息子。
その映画「歌姫」は、昭和30年代後半に作られた幻の名作だという。
疎遠だった父に想いを馳せるひばり・・・。
やがて時代は昭和30年代へとさかのぼり、生き生きとしたオリオン座の姿が鮮やかによみがえる。
戦後の記憶をなくした映写技師・太郎、看板娘の鈴、鈴の家族やオリオン座を取り巻く賑やかな人々。
彼らの生きざまとは。
太郎の過去とは。
映画「歌姫」に託された切ない思いが、ゆっくりと紐解かれるー。